郊外暮らしの最適ライフ

最適なハッピーライフを目指しま~す。テーマは、「食」「投資」「教育」です。郊外で、エンジニアしてます。

【感想】原作「ドライブ・マイ・カー」村上春樹を読んで

年末にぶらり、図書館で村上春樹の短編小説「女のいない男たち」手にしたところ、「ドライブ・マイ・カー」という作品がありました。いやー知らなかったです。

村上春樹「女のいない男たち」

アカデミー賞の映画「ドライブ・マイ・カー」の原作なんですね。お宝発見!早速読んでみました。とても、面白いですね。

 

概要です(ネタばれ注意)

主人公の俳優の家福は、奥さんを癌で亡くして再婚もしないで孤独に生きています。そして、仕事のほうが、演技派男優として、名実とも充実しています。

 

生前の奥さんには、秘密があります。奥さんは、女優として仕事をしながら、共演した男性と関係を持っていました。それも、作品が終わると関係も終わるという短い関係です。

 

そのとき、家福はその事実を知りながらも、問いただすこともなく、普通にふるまっていました。まるで、演技をするように。

 

浮気をする理由、つまり彼らに何を求めていたのかがわらからない。事実として、二人の間に3日で亡くなった子供がいたことです。そのころから、妻の浮気が始まります。

 

そして、理由を聞けずに、奥さんは子宮癌で亡くなってしまいます。それにより、妻に何か目覚めさせてしまったものがあったのかと考えるようになっていました。

 

そんな中、友人の紹介から、専属女性ドライバー(みさき)を採用することになります。現場移動として。みさきは、優れた運転技術をもっています。性格は、寡黙であり、決して綺麗ではないのですが、不細工でもない。どこか闇を持っていました。

家福の子供が生きていたら、娘ぐらいの年になっている年齢です。

 

普段は無言でドライブをする日々が続きました。淡々と仕事をする”みさき”の運転に、家福も心を許すようになり、悩みを話すようになっていきます。

 

家福が、妻の理由を知りたくて、辛い日々を過ごしたこと。そのため、浮気相手(高槻)と無理に交流を持つようになっていたこと。それが、高槻との交流を通じて、妻の浮気理由を調べようとしていたこと。高槻自身も、別れを告げられて戸惑っていたこと。そして、高槻との共感がうまれ、演技をしているのかどうか家福もわからなくなってきて、その関係は自然消滅したこと。

 

一方、みさきも少しづつ自分のことを話すようになります。父が、家族を捨てて出ていったこと。母から、不細工と言われ、自分を言葉で傷つけていたこと。その母が酒気帯び運転で亡くなっても、泣かなかったこと。

 

最後に、みさきから「女の人ってそういうところがあるんです。そういうのって、病のようなものです。考えてもどうなるものでもありません。私の父や母がやったことも、病気がやったんです。頭で考えても仕方ありません。こちらでやりくりをして、呑み込んで、ただやっていくしかないです」という言葉で物語は終わります。

 

所感

この本の解釈ですが、「人を真実を知りたがる。しかし、演じることで調整している」ということでしょうか。

・人との交流が、自分自身の辛い気持ちを解消するきっかけになる。

・あれやこれやと悩みすぎない。

・人を許すことで、解決できることもある。つまり、解決しないこともあるのがあたりまえで、そのような環境を受け入れて折り合いをとる(=演じる)こと。

 

自分に置き換えてみても、同様なケースが多くあったことを感じました。

 

例えば、職場での人間関係で、ひどい対応をされて怒りを感じたこともあります。その理由を追究したこともあります。それも上司から、「くだらないことは、呑み込み忘れなさい」ということで気持ちが楽になったこともあります。

 

彼女との関係も、なぜ怒っているのか、なぜこれ以上進展しないのかとあれやこれやと、考えてきたこともあります。

 

それらは、この本でいう「病=解決できないこと」であって、頭で考えるのではなく、環境を受け入れることで気持ちが楽になるよ。そのようにして、多かれ少なかれ人はみんな演じて生きている。そんなことを、わかりやすく教えてくれたように思います。

 

 

 

youtu.be

rpx.a8.net

rpx.a8.net